共同仲介(分かれ)で海外の買い手を加える方法|売れない旅館・ホテルの元付会社向け・報酬はそのまま
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執筆・監修:宮﨑洋平(宅地建物取引士)/株式会社REYADO 代表・M&A支援機関、宅地建物取引業者 神奈川県知事(1)第33154号
専任で預かった旅館やホテルが、半年たっても決まらない。反響は減り、申し込みが入っても融資が通らず、売主に提案できるのは値下げだけ。数億円以上の宿泊施設を扱う不動産会社・M&A会社の方から、弊社が伺う相談の例です。
この記事は、売主から直接売却の依頼を受けている不動産会社・M&A会社(元付会社)の方に向けて書いています。国内の買い手が絞られている背景を公表データで確かめたうえで、元付・客付け・共同仲介(分かれ)の言葉の整理、国内の募集を続けたまま海外の買い手を加える共同仲介の仕組み、元付会社が用意するもの、登録から紹介までの流れ、注意点を、宅地建物取引士が順に整理します。
仕組みの説明には、架空の例として「箱根の温泉旅館(客室18室・希望価格3億5,000万円)を専任で預かる元付会社」を使います。数字はすべて説明用の仮定で、前提と計算式を本文に書きます。
この記事で分かること
- 預かっている物件が売れない原因を、価格・融資・買い手の母集団・開示の範囲の4つに切り分けて確かめられる
- 元付のまま、売主側の窓口と報酬を変えずに、海外の買い手を募集に加える手順が分かる(REYADOが買い手側を担当する共同仲介=分かれ)
- 登録の前に揃えるもの(売主の了承・匿名の粒度・写真の許諾)と、登録から紹介までの流れ、注意点が分かる

金利上昇と価格上昇で、国内の買い手が絞られている
弊社に寄せられる相談で、数億円以上の宿泊施設が国内で決まらない理由として挙がるのは、借入金利の上昇と、物件価格の高止まりが同時に起きていることです。この2つは公表されている数字で確かめられます。市場全体で成約が減っているかどうかは、ここで示す統計からは分かりません。
借入金利の前提になる政策金利は、日本銀行が2024年3月19日にマイナス金利政策を終え、無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標を0〜0.1%程度としました。その後も引き上げが続き、2026年9月18日の金融政策決定会合では1.25%程度への引き上げが決まっています(9月24日から適用)。2年半で1%を超える上昇です。
一方で、物件の価格は高い水準のままです。国土交通省の不動産価格指数では、商業用不動産総合(全国・季節調整値)は2025年第4四半期に146.6で、前期比では0.2%減ですが、基準の2010年平均(=100)と比べると約1.5倍の水準です(2026年3月31日公表の速報値。国土交通省は算出プログラムの不具合を理由に、2026年4月以降の公表分を延期中です)。
金利が上がり、価格が高い水準のままだと、借入で買う国内の買い手は返済負担が重くなります。ここからは架空の試算です。借入3億円・返済期間25年・元利均等返済で、金利が2.0%から3.0%に上がった場合を比べます。年間の返済額は、毎月の返済額(借入額×月利÷(1−(1+月利)^−返済回数))を12倍して求めます。
この試算の意味は、同じ物件・同じ価格でも、金利が1%上がると国内の買い手の手元に残る収益が4割近く減る、ということです。金融機関は融資の審査で、純収益が返済額の何倍あるかを見ます。この倍率が下がると、同じ自己資金では借入の上限が下がり、買える買い手の数が減ります。価格を下げれば倍率は戻りますが、売主の希望とは離れていきます。
元付会社の現場で起きていること
この構造の結果は、元付会社の現場では次のような形で表れます。弊社が不動産会社・M&A会社の方から伺っている相談の例で、件数や割合の統計ではありません。
- 問い合わせはあるが、融資の内諾が取れずに申し込みが流れる
- 国内のホテル運営会社やファンドに当たり尽くし、次に紹介する先がない
- 売主に提案できるのが値下げだけになり、専任媒介の更新時期に説明が苦しい
- 海外からの問い合わせは来るが、言葉や手続きの不安から断ってきた
たとえば、冒頭の箱根の温泉旅館(希望価格3億5,000万円)を預かる元付会社の場合を考えます。国内の運営会社3社に当たり、2社は価格で見送り、1社は融資の内諾が出ずに流れた。レインズとポータルには出しているが、この半年で内見は2件。売主からは「いつ決まるのか」と聞かれる。この状態で選べる手は、値下げの提案か、買い手の母集団を広げるかの2つです。後者の手段がこの記事の主題の共同仲介(分かれ)で、次の節で言葉を整理してから、売れない原因を切り分けます。
元付・客付け・共同仲介(分かれ)とは ― 言葉の整理
共同仲介(分かれ)とは、1つの売買で、売主側の仲介会社と買い手側の仲介会社が別々に関与し、各社がそれぞれの依頼者から報酬を受け取る取引の形です。売主側の会社を元付、買い手側の会社を客付けと呼びます。この記事で説明する仕組みは、元付会社が売主側のまま、買い手側(客付け)を弊社が担当する共同仲介です。
元付業者とは
元付業者(元付会社)とは、売主から直接、売却の媒介の依頼を受けている不動産会社のことです。売主と媒介契約を結び、レインズへの登録、売り出しの条件の整理、売主への活動報告を行います。宿泊施設の売却では、不動産会社のほかに、M&A支援を行う会社が売主から直接依頼を受けている場合もあり、この記事では両方を元付会社と呼びます。
客付け業者とは
客付け業者(客付け会社)とは、買い手の側に立って物件を探し、買い手を元付会社の物件に紹介する不動産会社のことです。客付け会社は買い手から報酬を受け取り、売主とは媒介契約を結びません。レインズに登録された物件を見て、自社の買い手に紹介する動きが典型です。
片手仲介と両手仲介
片手仲介とは、1社が売主側か買い手側のどちらか一方だけを担当し、その依頼者だけから報酬を受け取る形です。共同仲介(分かれ)では、元付会社も客付け会社も片手仲介になります。両手仲介とは、1社が売主と買い手の両方を担当し、双方から報酬を受け取る形です。両手仲介そのものは認められていますが、他社の買い手への紹介を不当に妨げると囲い込みと呼ばれ、2025年1月の制度改正で、レインズの取引状況と実態が異なる場合は行政処分の対象になりうると整理されました。
共同仲介で海外の買い手を加えることは、元付会社が国内の客付け会社からの紹介を受けるのと同じ形で、買い手側の相手が海外の買い手を担当する弊社になる、ということです。元付会社の媒介契約・報酬・レインズの登録は、何も変わりません。
売れない原因を4つに切り分ける
売れない原因は、価格・融資・買い手の母集団・開示の範囲の4つに分けると、次に打つ手が決まります。4つのうち、海外の買い手を加えることで変わるのは「融資」と「買い手の母集団」の2つです。残りの2つは、海外に広げても解決しません。
1. 価格:収益と比べて高すぎないか
最初に確かめるのは、希望価格が物件の収益と釣り合っているかです。宿泊施設の価格は、取引の形(不動産のみの売買・事業譲渡・株式譲渡)で評価の対象が変わります。不動産として売る場合の目安は、不動産に帰属する年間純収益(売上−運営費)を還元利回りで割った額です。箱根の例で、年間純収益2,000万円・還元利回り6%なら、2,000万円÷0.06=約3億3,300万円が目安になります。希望価格3億5,000万円は、この目安に近い水準です。価格の考え方は旅館の売却価格の決まり方で詳しく整理しています。
価格が収益から大きく離れている場合、国内でも海外でも決まりにくいのは同じです。この場合は、海外の買い手を加える前に、売主と価格の根拠を見直す必要があります。
2. 融資:買い手の借入条件で止まっていないか
価格は妥当なのに決まらない場合、前の節の試算のとおり、買い手の借入条件で止まっていることがあります。申し込みが入ったあとに融資の内諾が出ずに流れた経験が1回以上あれば、この原因を疑います。自己資金の比率が高い買い手や、借入の条件が異なる買い手を探すことが、次の手になります。
3. 買い手の母集団:当たり尽くしていないか
国内のホテル運営会社・ファンド・投資家に紹介し尽くし、次に紹介する先がない場合は、母集団そのものが足りていません。レインズやポータルは国内の買い手には届きますが、海外の買い手は日本語の媒体をほとんど見ません。母集団を広げるには、海外の買い手が見る媒体に、海外の買い手が読める言葉で出す必要があります。
4. 開示の範囲:匿名にしすぎて判断材料がないか
売主が「売却を知られたくない」と希望して、所在地も価格帯も出さずに募集している場合、買い手は判断材料がなく問い合わせに進めません。この原因は、海外に広げても変わりません。匿名のまま、どこまで出せば買い手が判断できるかを、売主と決め直す必要があります。弊社の匿名掲載では、施設名・番地を出さず、所在地は市区町村まで、価格は価格帯で出します。この粒度は、次の節以降で説明します。
4つのうち「融資」か「買い手の母集団」が当てはまる元付会社の方は、次の節に進んでください。海外の買い手が、いまどのくらい日本の宿泊施設を買っているかを、公表データで確かめます。
海外の買い手は、いまも日本の宿泊施設を買っている
海外の買い手の動きは、不動産投資の統計と訪日客の統計で、それぞれ確かめられます。この2つは別々に動いているため、分けて見ます。
不動産投資の統計では、JLLが2026年8月3日に公表した日本の商業用不動産投資額(2026年上半期)は3兆7,517億円で、前年同期比17%増、上半期として過去最高です。このうち海外投資家による投資額は1兆1,105億円で、前年同期比1%増、全体の約30%を占めます。ホテルに限ると、JLLのアジア太平洋地域のホテル投資の集計(2026年上半期)で、日本は19億米ドル・前年同期比75%増と、地域で最も投資額が多い市場でした。買い手の内訳(地域全体)は、デベロッパー22%・ファンドマネージャー19%・富裕層の個人投資家とファミリーオフィス5%です。
訪日客の統計は、投資額とは集計の期間が違います(投資額は上半期、訪日客数は1〜9月と9月単月)。日本政府観光局(JNTO)の推計では、2026年1〜9月の訪日客数は3,073万人で前年同期比2.9%減、9月単月は310万人で5.0%減でした。中国からの訪日客が9月に44.5%減った影響が大きく、一方で台湾は13%増、韓国は25.6%増と、市場ごとに差があります。
ここからは弊社の見方です。2026年1〜9月の訪日客数が前年を下回る一方で、同年上半期のホテルへの投資額が前年同期を上回っているのは、投資の判断が月ごとの客数ではなく、円建ての価格と本国の金利・為替との差、保有期間の収益見通しで決まっているためだと考えています。海外の買い手の中には、自己資金の比率が高い、または本国の借入金利と比べて日本の金利が低いため、国内の買い手より借入条件の影響を受けにくい場合があります。前の節の「融資」で止まっている物件に、この買い手を加える意味はここにあります。ただし、市場全体の統計から個別の物件の売れやすさは導けません。箱根の例の旅館に買い手が付くかは、物件ごとの条件で決まります。
海外の買い手が募集条件として出している項目
弊社には、海外の買い手から購入の問い合わせと購入希望の登録が集まっています。希望エリアごとに、申告された予算の範囲・施設の種別・買い手の国や地域を集計し、物件や買い手が特定されない形で不動産会社・M&A会社の方向けのページに一覧で載せています。預かっている物件の地域と価格帯が、この一覧のどれかに当てはまるかを見ると、海外の買い手を加える意味があるかの目安になります。
たとえば、箱根の温泉旅館(希望価格3億5,000万円)なら、「箱根・富士五湖の温泉旅館、予算3〜5億円」のような条件を登録している買い手がいれば、紹介の対象になります。条件に当てはまる買い手がいない場合でも、匿名の掲載は海外向けのホームページに出るため、新しく探し始めた買い手の目に触れます。
共同仲介(分かれ)で海外の買い手側だけを任せる仕組み
元付会社が売主側を担当したまま海外の買い手を加える方法は、前の節で整理した共同仲介(分かれ)です。売主側の仲介会社と買い手側の仲介会社が別々に立ち、各社がそれぞれの依頼者から報酬を受け取ります。弊社の海外販売サポートは、この買い手側を弊社が担当する仕組みです。
報酬の流れは次のとおりです。元付会社は売主から、媒介契約で合意した報酬を今までどおり受け取ります。弊社は海外の買い手から、買い手と合意した報酬を成約時のみ受け取ります。最低報酬・着手金はなく、元付会社からは受け取りません。宅地建物取引業法の報酬は依頼者から受け取るものなので、売主側と買い手側が別の会社に分かれることは、通常の取引形態の1つです。
登録・掲載・紹介に費用はかかりません。登録だけで弊社と売主・元付会社の間に媒介契約が成立したり、費用が発生したりすることもありません。弊社は売主と媒介契約を結ばず、売主側の窓口は元付会社のままです。
国内の募集はそのまま続ける
レインズへの登録や国内のポータルでの募集は、そのまま続けてください。弊社は海外の買い手への案内を加えるだけで、国内の募集を止めたり、専任媒介を弊社に移したりすることは求めません。国内で先に決まれば、そのまま国内で進めて問題ありません。
なお、レインズの取引状況は実態どおりに登録してください。2025年1月の制度改正で、登録内容と実態が異なる場合は行政処分の対象になりうると整理されています。詳しくは不動産の囲い込みの仕組みと2025年改正にまとめています。海外の買い手を加えることと、国内の他社の客付けを受け付けることは、両立します。
元付会社が用意するものと、進め方のポイント
登録の前に揃えるものは、売主の了承と、希望価格の1つ、それに写真を使う場合の許諾の3つです。資料や詳しい収支は、登録のあとで構いません。後半では、登録のあとに海外の買い手の検討へ進みやすくするための4つのポイントも整理します。
1. 売主の了承
海外の買い手に匿名で案内することについて、売主の了承を取ります。匿名の掲載では、施設名・番地を出さず、所在地は市区町村まで、価格は価格帯で載せます。たとえば箱根の例なら「神奈川県足柄下郡箱根町・温泉旅館・3〜4億円」のような粒度です。売主が「どこまで出してよいか」を迷う場合は、この粒度を見せて説明すると決めやすくなります。売主が希望すれば、施設名・写真を出した通常の広告として載せることもできます。
2. 希望価格は1つ、他の媒体と同じ価格
登録する希望価格は1つで、レインズやポータルに出している価格と同じにしてください。海外向けだけ別の価格にすると、買い手が国内の媒体で同じ物件を見つけたときに説明がつかず、信頼を失います。価格帯での掲載は、この1つの価格をもとに弊社が決めます。
3. 写真の許諾
写真は、使用の許諾がある場合だけ使います。匿名の掲載では、施設が特定されないよう写真全体にモザイクをかけたうえで載せます。許諾が取れていない段階では、写真なしで登録して構いません。写真・資料は後日でも受け付けます。
この3つが揃えば、登録に進めます。対象は、売主から直接売却の依頼を受けている元付会社で、希望価格6,000万円以上の物件です。
登録のあとに海外の買い手の検討に進みやすいかどうかは、売主への説明、価格帯の付け方、写真、物件の数の4点で変わります。登録の前に知っておくと、売主との話が進めやすくなります。
売主には「国内の募集はそのまま、海外を足す」と説明する
売主の中には、海外の買い手と聞くと「国内の募集をやめるのか」「外国の会社に預けるのか」と心配する方がいます。説明の要点は3つです。国内の募集はそのまま続けること、売主側の窓口は元付会社のまま変わらないこと、施設名を出さない匿名の概要で載せることです。この3つを先に伝えると、了承を得やすくなります。
価格帯は、希望価格を含む幅にする
匿名の掲載では価格を価格帯で出します。弊社は登録された希望価格をもとに価格帯を決めますが、希望価格が帯の上限ぎりぎりになる場合は、買い手が「上限まで出す必要がある」と読みます。希望価格の根拠(収益と還元利回り)を登録時に書き添えると、弊社が買い手に説明しやすくなります。
写真は許諾を取って、モザイクのうえで載せる
写真のある掲載と、ない掲載では、買い手が問い合わせに進む判断材料の量が違います。匿名の掲載では施設が特定されないよう写真全体にモザイクをかけるため、売主にはその見え方を説明したうえで許諾を取ってください。許諾が後日になる場合は、先に写真なしで登録し、あとから追加できます。
複数の物件は、まとめて登録する
預かっている物件が3件以上ある場合は、物件リスト(Excel・PDF)をメールで送る方法があります。海外の買い手は、1社から複数の候補を提示されると比較しやすく、条件の近い物件があれば紹介の機会が増えます。
すでに外国籍の方から問い合わせがある物件は、対応だけを依頼できる
掲載はせず、すでに問い合わせを受けている外国籍の買い手の対応だけを弊社に依頼することもできます。言葉のやり取り・本人確認・資金の確認・契約手続きの説明を弊社が買い手側として引き受け、元付会社は売主側の窓口のままです。依頼は外国籍の買い手の対応を依頼するからお送りください。
登録から紹介までの流れ
登録から海外の買い手への紹介までは、登録・確認・掲載と紹介・問い合わせ対応・秘密保持契約と詳細開示・内覧から契約の6段階です。元付会社の作業は、登録と、買い手からの質問に日本語で答えることが中心です。売主との媒介業務、内覧の日程や条件の調整は、元付会社が今までどおり続けます。
登録は、会社のメールアドレスを確認してから、所在地・種別・営業状況・希望価格などを入力します。1回の確認で3件まで登録でき、3件以上まとめて登録する場合は、物件リスト(Excel・PDF)をメールで送ることもできます。弊社が内容と売主の了承、公開範囲を確認し、不動産会社の登録は最短当日に掲載します。
掲載のあと、海外の買い手から問い合わせが入ると、弊社が英語・中国語で対応します。物件について確認が必要なときは、弊社が元付会社に日本語で確認し、買い手に伝えます。元付会社が外国語の担当者を用意する必要はありません。
買い手が詳しい情報を求める段階では、ホームページのフォームから秘密保持契約を結んでから、施設名や資料を開示します。この順序は、売主が「売却を広く知られたくない」場合の守りになります。内覧・条件調整・契約の段階では、買い手側の本人確認(犯罪収益移転防止法に基づく取引時確認)、資金の確認、契約手続きの説明を弊社が行います。外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づき、非居住者が国内の不動産を取得した場合に事後報告が必要になる場合がありますが、これは買い手側の手続きで、弊社が買い手に説明します。
たとえば、箱根の例の旅館に台湾の個人投資家から問い合わせが入った場合、弊社が中国語で収支と設備の質問を受け、必要な点だけを元付会社に日本語で確認し、回答を翻訳して返します。買い手が秘密保持契約を結んで資料を確認し、内覧を希望すれば、弊社が同行の日程を元付会社と調整します。元付会社は、売主との間の媒介業務を今までどおり続けます。
注意点
登録の前に知っておいていただきたいのは、掲載が成約の時期や価格を約束するものではないこと、審査で掲載をお受けできない場合があること、対象が売主直の6,000万円以上の物件に限られることの3点です。
成約の時期や価格は約束できない
海外の買い手に案内することで、買い手の母集団は広がりますが、個別の物件に買い手が付くかどうか、いつ・いくらで決まるかは約束できません。売主に説明するときも、「海外に出せば売れる」とは言わず、「国内の募集に海外の買い手を加える」と伝えてください。
審査で掲載・紹介をお受けできない場合がある
物件の内容や価格、開示の範囲によっては、掲載・紹介をお受けできない場合があります。宿泊施設として運営できる物件が対象で、弊社に登録している海外の買い手の条件から大きく外れる物件は、掲載しても紹介に進みにくいため、登録時にお伝えします。
対象は売主直・6,000万円以上
対象は、売主から直接売却の依頼を受けている元付会社の物件で、希望価格6,000万円以上です。他社から回ってきた物件(元付が別にある物件)は、その元付会社からの登録をお願いしています。6,000万円未満の物件は、フォームの段階で対象外と表示されます。
媒介契約・報酬の取り決めは元付会社と売主の間のまま
弊社は売主と媒介契約を結ばず、元付会社と売主の媒介契約と報酬の取り決めには関与しません。弊社の報酬は海外の買い手との合意によるもので、元付会社の売主側の報酬とは別です。取引態様は、買い手側の媒介として買い手に明示します。
まとめ ― 国内の募集を続けたまま、買い手の母集団を広げる
金利の上昇(政策金利は2024年3月の0〜0.1%程度から2026年9月の1.25%程度へ)と価格の高止まり(商業用不動産の価格指数は2010年比で約1.5倍)が同時に起きた結果、借入で買う国内の買い手は返済負担が重くなります。数億円以上の宿泊施設が国内だけでは決まらない、という相談が弊社に寄せられている背景です。一方で、海外投資家による日本の商業用不動産投資は2026年上半期も全体の約30%を占め、ホテルへの投資額は前年同期比で増えています。
売れない原因が「融資」か「買い手の母集団」にある物件は、元付のまま海外の買い手を加える共同仲介(分かれ)の形で、売主側の窓口と報酬を変えずに募集の範囲を広げられます。元付会社が用意するのは、売主の了承・希望価格1つ・写真の許諾の3つで、登録・掲載・紹介は無料です。
本記事の監修:宮﨑洋平(宅地建物取引士/株式会社REYADO 代表/神奈川県知事(1)第33154号)
主な出典
- 日本銀行「当面の金融政策運営について」2024年3月19日(マイナス金利政策の終了・無担保コールレート誘導目標0〜0.1%程度)、2026年9月18日(同1.25%程度・9月24日適用)
- 国土交通省「不動産価格指数(令和7年12月・第4四半期分)」2026年3月31日公表(商業用不動産総合・全国・季節調整値146.6、2010年平均=100、速報値)。2026年4月以降の公表分は延期中
- JLL「日本の不動産投資市場動向 2026年第2四半期」2026年8月3日(2026年上半期の投資額3兆7,517億円・海外投資家1兆1,105億円)
- JLL「アジア太平洋地域のホテル投資額、2026年上半期」2026年7月21日発表(日本語版8月12日。日本19億米ドル・前年同期比75%増)
- 日本政府観光局(JNTO)訪日外客数 2026年9月推計値(2026年10月21日発表)
- 宅地建物取引業法 第46条(報酬)、犯罪による収益の移転防止に関する法律(取引時確認)、外国為替及び外国貿易法 第55条の3(非居住者による本邦の不動産の取得の報告)
- 国土交通省「宅地建物取引業法施行規則」改正(2024年6月28日公布・2025年1月1日施行・レインズの取引状況の登録)
よくある質問
元付会社の報酬は減りますか?+
減りません。元付会社は売主から、媒介契約で合意した報酬を今までどおり受け取ります。REYADOは海外の買い手から、買い手と合意した報酬を成約時のみ受け取り、元付会社からは受け取りません。登録・掲載・紹介に費用はかかりません。
専任媒介で預かっている物件でも登録できますか?+
登録できます。専任媒介・専属専任媒介の物件でも、買い手側を別の会社が担当する「分かれ」は通常の取引形態の1つです。REYADOは売主と媒介契約を結ばず、売主側の窓口と媒介契約は元付会社のまま変わりません。レインズへの登録と国内の募集はそのまま続けてください。
海外の買い手とのやり取りに英語や中国語の担当者は必要ですか?+
必要ありません。海外の買い手からの問い合わせ、物件の案内、質問への回答、資金や手続きの確認、契約までのフォローはREYADOが英語・中国語で行います。物件について確認が必要なときは、REYADOが元付会社・売主に日本語で確認します。
売主が売却を知られたくない場合も載せられますか?+
載せられます。標準の掲載では、施設名・番地を出さず、所在地は市区町村まで、価格は価格帯で表示します。写真は使用の許諾がある場合だけ、施設が特定されないよう全体にモザイクをかけて使います。詳しい情報は、買い手が秘密保持契約を結んでから開示します。
外国人の不動産購入の規制は、海外の買い手への販売に影響しますか?+
現在の制度では、外国人や海外の法人が日本の不動産を取得すること自体は可能です。外国為替及び外国貿易法に基づく取得の報告や、重要土地等調査法の対象区域での届出など、買い手側の手続きが必要になる場合があります。安全保障の観点からの土地取得のルールは政府で見直しが続いているため、契約の前に最新の制度を確認します。これらは買い手側の手続きで、REYADOが買い手に説明します。
どのような物件が対象ですか?+
売主から直接売却の依頼を受けている元付会社の物件で、希望価格6,000万円以上の旅館・ホテル・貸別荘など、宿泊施設として運営できる物件が対象です。物件の内容・価格等の審査結果によっては、掲載・紹介をお受けできない場合があります。掲載は成約の時期や価格を約束するものではありません。